10兆円規模の大学ファンド
2021.5.9

株式会社AWARDの渡邉です。

海外の大学では、大学の基金を積極的に資産運用しているのをご存じでしょうか。巨額な資金を動かす海外の大学では、基金の運用によって得られた利益を大学の運営に活用しています。

そんな海外の大学にならって、日本政府が出資する大学ファンドが今年中にも立ち上がるという話が出ています。本日は海外の大学の運用などについて見てみましょう。

名門大学の資産運用


海外の名門大学の基金の規模をHPなどから見てみると、

ハーバード大学;約4.5兆円

イエール大学:約3.3兆円

スタンフォード大学:約3.1兆円

とのことです。一方で日本の大学の基金の規模は、

慶應義塾大学:約730億円

早稲田大学:約300億円

東京大学:約150億円

となっています。ハーバード大学と慶應義塾大学を比べてみると約60倍もの開きがあることがわかります。大学の基金の大きさは、大学の資金力を表すわけなので、学習環境や研究者に対する報酬の支払力にも大きく影響するところになります。ひいては研究のレベルにさえ影響を与えるでしょう。

政府発の10兆円ファンドとは?


こうした状況を踏まえた上で、日本政府が大学ファンドを作るとのことです。

まずは政府が出資する4.5兆円から運用を開始し、大学改革の制度設計等を踏まえつつ、早期に10兆円規模の運用元本を形成していくとのことです。当初の4.5兆円の財源としては、2020年度の第3次補正予算から5,000億円、2021年度の財政投融資から4兆円が充てられることになります。ちなみに目標とするリターンは消費者物価指数(現在はほぼゼロ)+3%を掲げています。

このファンドの運用の中身としては、ハーバード大学の基金がやっている資産運用を参考にするとのことです。参考とされるハーバード大学の基金は平均すると年間10%前後のリターンをあげていることでも知られています。2019年の資産構成を見てみると、

上場株式:26%
非上場株式:20%
ヘッジファンド:33%
不動産:8%
天然資源:4%
インフレ連動債:6%
その他現物資産:2%
現金および現金同等物:2%

となっています。

特筆すべきは、非上場株式やヘッジファンドの割合の高さでしょうか。景気の影響を受けにくく、かつ個人ではアクセスしにくい優良な投資対象へと資金を入れているのが見て取れます。日本政府の大学ファンドはこの運用をどのように参考にするのか、そしてどの程度のリターンを出していけるか楽しみなところです。

個人でも真似できる


また、こうした大学の基金の運用は個人でも真似することが可能です。上場株式や不動産、インフレ連動債などは、わたしたちも簡単に資産に組み入れることができます。例えば、

上場株式⇒投資信託

不動産⇒REIT

インフレ連動債⇒個人向け国債「変動10年」

といった形です。資産運用を難しく考えず、上手くいっている運用を真似てみるのはとてもオススメです。日本政府でさえ、上手くっている運用を参考にしてやっていくわけですから、個人だって真似すれば良いのです。現預金だけで資産を持っているよりも、将来的に良い状態になれるのではないでしょうか。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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