東証の指数改革
2021.5.2

株式会社AWARDの渡邉です。

TOPIX(東証株価指数)と言えば、現在は東証一部に上場しているすべての銘柄が含まれている指数になります。しかし、すべての銘柄が含まれるため、パッシブ運用や日銀の上場投資信託(ETF)買いに伴う資金が無条件に流れ込む状況になっており、上場企業に対する規律が働きにくいことが問題視されていました。

そこで来年の10月以降に指数の内容が変わることが決まってきましたので、そちらについてご紹介させていただきます。

TOPIXでは基準を満たさない銘柄を除外


TOPIXに関しては、2022年10月以降に時価総額基準に満たない銘柄を段階的に除外していく方向が決まりました。

具体的には2021年6月末と翌決算期時点で流通株式の時価総額が100億円未満だった企業が「ウエイト(組み入れ比率)低減銘柄」に指定されることになります。流通株式とは、大株主や役員等の所有する株式や上場会社が所有する自己株式など所有が固定的でほとんど流通可能性が認められない株式を除いた株式のことを言います。

こうした条件に当てはまると2022年10月から段階的にTOPIX組み入れ比率を引き下げられることになり、2025年1月末には完全に除外されることになります。東証の2020年3月末時点の推計によると、東証1部の3割にあたる約600銘柄が除外される可能性があるとのことです。

東証マザーズ指数は名称も変更


また新興市場の指数である東証マザーズ指数に関しては、銘柄の選定の仕方に加えて名称も変わることになります。こちらの指数も現在はマザーズ市場に上場しているすべての株式を対象として算出が行われていますが、今後新設される高成長企業向け市場である「グロース」の時価総額上位250銘柄が組み込まれた指数へと姿を変えることになります。

また名称も2023年10月に東証マザーズ指数から、東証グロース市場250指数へ変更するとのことです。選別された企業が対象になるのは投資家にとっては使いやすいかもしれませんね。

企業改革も期待できるか?


2022年の4月4日からは東証の市場自体もプライム、スタンダード、グロースといった区分に変更になる予定です。企業が投資家の資金を獲得するには、良い市場に入り、指数に組み込まれることが重要となります。時価総額の要件などもありますから、経営者の方々が企業価値を高める方向に舵を切るとするなら投資家にとっては喜ばしいことでしょう。

本来企業価値はどの市場に上場していようが、同じように評価されてもおかしくはないのですが、実際には市場のブランドによって資金の流出入の様子は変わります。東証がどのように変わるか、しっかり観察していきましょう。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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