株式会社AWARDの渡邉です。
日本の代表的な企業225社の株価から構成される日経平均株価が、30年半ぶりに30,000円を突破しました。失われた30年といった言葉がありますが、30年経ち日本の株価は新たなステージに到達した、と捉えることもできるでしょう。
本日は日経平均株価が30,000円に到達したことについて、過去の歴史も踏まえながら書いていきたいと思います。
日経平均株価が30,000円台というのは、歴史を振り返ると1990年8月3日以来であるとのことです。実に30年半の期間を経て株価を回復してきたことになります。米国の株式などが10倍以上に伸長する中で、ずっと停滞してきた日本の株式ですが、ここにきて再度盛り上がりを見せているとも言えます。
歴史を振り返ると2000年に日経平均株価の構成銘柄は大幅に入れ替えがされているため、指数としての連続性はそこで絶たれている、いう考え方もあるのですが、ここでは日本を代表する株価指数として連続性のあるものとしてとらえたいと思います。
さて、日経平均株価の終値ベースでの過去の最高値は、1989年12月29日の38,915.87円でした。つまり、過去に日経平均株価は40,000円台をつけたことがありません。30年以上かけて30,000円台に戻ってこれたのは記念すべきことです。株価が30,000円台を回復するにあたっては、以下のような要因がありました。
・金融政策で日銀により株式が買われている
・GPIFが巨大な安定株主になっている
・外国人投資家が日本株を買っている
新型コロナウイルスの拡大によって、景気を下ぶれさせないために世界的な金融緩和が現在は行われていますが、日銀はそれ以前から日本の株式を含んだETFを買い進めていました。2番目の理由となっているGPIFと日銀とを合わせると、90兆円以上の日本株を公的機関が保有していることになります。
また外国人投資家の存在も忘れてはなりません。外国人投資家の保有する株式の割合は、1990年度末は4.7%に過ぎませんでしたが、現在30%前後にまで成長してきています。日本の個人投資家があまり投資していない日本株の市場ですが、外国人投資家から見ると、魅力的なのかもしれませんね。
こうした日経平均株価ですが、最高値更新はいつされるのでしょうか。過去の最高値を超えるためには、あと約30%ほど株価が伸長する必要があります。仮に毎年5%ずつ株価が伸びるとするならば、あと6年ほどで最高値を更新できることになります。
しかし、株価というのは毎年一定のスピードで上昇するというものではなく、人々の感情によって大きく上下するものです。上昇方面にぶれることがあれば、ここ1~2年で最高値を試しにいくような展開もあるかもしれませんね。
いずれにせよ、『株式は上昇していくもの』という当たり前のことが、バブル崩壊後は達成できていなかった日本株。今後日本の個人投資家からも見直されて、日本人も積極的に株式を持つような状況になってきたら望ましいな、と考えています。
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