JT上場初の減配
2021.2.10

株式会社AWARDの渡邉です。

JT(日本たばこ産業)が上場後初の減配を発表しました。高配当株の代表格であったJTですが、多くの配当を目当てにしていた投資家にとって残念なニュースになりました。

しかし、もともとJTの減配については予想できるものでもあったのです。本日は株式の配当について見ていきましょう。

配当はどこから出ている?


まず、株式の配当というのはどこから出ているのか、というのを考えてみましょう。配当というのは、株式会社があげた利益から株主に対して支払われるものです。つまり、配当の原資は株式会社の利益であるということですね。

そのため、配当を出している会社が実際にはあまり利益が出ていないようだと、配当を出し続けるのは難しくなります。JTの事例ですと、ここ数年間は連続して利益が減っており、苦しい状況が続いていました。株価は業績とともに落ちていたのですが、配当を維持していたため、結果として非常に高配当な株式になっていたという事実があります。

2020年の年間配当額は1株あたり154円でしたが、今回の減配の発表で2021年の年間配当額の予想は130円となっており、配当利回りは7.16%から6.04%にダウンする見通しです。

配当性向とは?


ちなみに企業が出している利益のうち何%を配当として株主に還元しているか、というのは配当性向という指標によって示されます。減配を発表する前のJTは配当性向が100%近くまで高まっていました。

これまでJTは、

「1株あたり配当⾦の安定的/継続的な成⻑」

を掲げていましたが、今回の減配の発表と同時に株主還元方針も変更しており、

「配当性向75%を目安とする」

としています。業績連動性が強まる形に変更となるため、むしろ財務上の健全性は高まるとも言えるかと思います。ちなみに、一般的に上場企業の配当性向は30%程度が平均的と言われるので、75%というのは減配後でも相当に高い数字であるのは知っておくと良いでしょう。

高配当株には減配リスクがある


今回のJTの減配の影響を特に受けるのは、高配当株投資家の方々でしょう。昨年は日産も無配を決定しましたし、これまで高配当株の代表格として見られていた銘柄が崩れている形になっています。高配当株への投資は減配時に計画がずれてしまうリスクがあるというのが、今回のJTの事例でも体感することができたのではないでしょうか。

2月9日15時に発表されたJTの減配ですが、その後の夜間市場で株価は日中終値の2,151円から1,970円へと-181 (-8.41%)まで下げています。今後現在の配当の水準を維持できるのかに注目していきたいと思います。


執筆者:渡邉亮

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