株式会社AWARDの渡邉です。
本日は投資対象としての金(ゴールド)についてご紹介させていただきたいと思います。手元に持つこともできる現物資産である金。
昔から通貨や装飾品など多くの用途で親しまれていた金属でもありますが、今後の投資対象としてはどう見れば良いのでしょうか。
金の価格はここ20年ほどは右肩上がりで成長しています。田中貴金属の公表している1gあたりの年間平均価格のデータを見ると、
2000年 1,014円
2010年 3,477円
2020年 6,122円
となっています。2000年と比較すると、現在の金の価格は約6倍になっているということですね。こういったデータだけみると、金は過去ずっと値上がりし続けてきたかのように見えるかもしれません。
しかし、実際にはそうではなく、
1980年 4,499円
1990年 1,826円
と1980年や1990年の方が2000年よりも金の価格が高かったという事実があります。歴史的に見ると金の価格が上昇傾向なのは間違いないですが、価格変動の大きな資産であるというのは確認しておいた方が良いでしょう。
1980年の金価格がかなり高かったのは先ほど書かせていただきましたが、なぜその頃金の価格は上がっていたのでしょうか。これは様々な『有事』が起こっていたからとされています。
1978年末 第二次石油危機
1979年1月 イラン革命
1979年11月 イランアメリカ大使館人質事件
1979年12月 ソ連アフガン侵攻
1980年9月 イラン・イラク戦争勃発
このように1979年代の後半から1980年にかけて、中東を中心に様々な有事が連続で勃発し、金価格はその影響を受けて急騰したのです。
長期的な価格の上昇以上に、有事に強いというのは金の魅力なのではないでしょうか。実際に昨年の3月のコロナショックの際にも金の価格はほとんど下がりませんでした。
金は金属ですが、ポートフォリオ(資産の割り振り)を考えたときに優秀なクッションとして働きます。株式だけを保有していると、市場が悪化したときに全体の資産価値が下がりますが、金を同時に保有すると株式とは異なる値動きをするため全体として資産価値の変動を小さく抑えることが可能になります。
ちなみに金に連動する商品は、金ETF、金の投資信託、金の先物、金のCFDなど様々なものがありますから、現物にこだわる必要はないでしょう。有事の際に金は資産としての輝きを増します。そういった効果を期待して保有するのも良いのではないでしょうか。
こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。