株式会社AWARDの渡邉です。
多くの投資家は過去のリターンから今後のリターンを予測するかと思います。しかし、過去と未来とでは各国の成長率が異なってくるのは明らかです。そのため、必ずしも過去のリターンを今後の期待リターンとするのは正しくないでしょう。
そんな中で今後の期待リターンについての予測を提供してくれている金融機関の存在はとても貴重であると言えます。本日はJPモルガンが出している今後10~15年間の期待リターンの予測についてご紹介させていただきます。
このデータは2020年9月30日時点で算出された今後10~15年間の期待リターンとなります。約60資産について予測が提供されていますが、ここでは代表的なものを5つご紹介します。それぞれ為替ヘッジなしでの円ベースでの長期見通しとなりますが、
日本大型株式:5.10%
米国大型株式:2.70%
欧州大型株式:5.00%
中国株式:6.10%
新興国株式:5.80%
となっています。
この結果を見て皆さんはどう感じますでしょうか。わたしは米国株式の期待リターンの低さに驚きました。米国の株式はここ10年間ほどで素晴らしいリターンを出してきました。しかし、今後の期待リターンが低いということは、今後得られるはずの成長を先取りしてしまっていた、と捉えることができるかと思います。
こうした予測があることを知っていると、投資戦略は変わってきますよね。ちなみにJPモルガンは、
・ドル高からドル安に転じ、海外資産に投資している日本の投資家にとっては逆風
・プライベート・エクイティや実物資産、マルチ・アセットなどを検討することが重要になる
・オルタナティブ資産のアクセスと流動性は向上しつつある
といったことをレポートに記載しています。
これらのJPモルガンの予測は非常に価値のあるものですが、あくまでも予測ですので必ずこれに近い数字になるという性質のものではありません。しかし、現在の世界中の株式は、今後の成長性などから考えると、かなり高い水準にまで上がってしまっており、将来的なリターンが下がる可能性があるというのは十分に知っておいて良いところではないでしょうか。
個人的には株式が王道の投資であることに変わりはないにしろ、それ以外の資産の重要性もあらためて認識できるとても良いレポートでした。ぜひ今後の資産運用戦略の参考にしてみてくださいね。
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