米SECリップル提訴
2020.12.24

株式会社AWARDの渡邉です。

時価総額上位の仮想通貨(暗号資産)の中にリップル(XRP)があるのをご存じでしょうか。様々な銀行などと提携をして送金実験をしているリップルですが、この度米国の証券取引委員会(SEC)から提訴されることになりました。

一体なにが起こっているのか、その内容を確認してみましょう。

リップルは有価証券?


まずSECとはどういった機関なのでしょうか?こちらは、米国における株式や公社債などの証券取引を監督・監視する政府機関となります。つまり株式市場などの規制を担当する機関ということになりますね。

この度SECはリップル社が取り扱う仮想通貨「XRP」を有価証券とみなし、投資家保護に違反したとして提訴しました。リップル社は2013年以降、世界の投資家にXRPを売却することで資金調達をしてきました。その金額は少なくとも約13.8億ドル(1400億円)に上り、その過程でXRPが株式のような有価証券の役割を果たしてきたのではないかという内容になっています。

つまり、本来リップルは有価証券なのに、SECの目を逃れ資金調達をした、ということを問題視しているわけです。SECはリップル社がリップルという違法証券から得た利益を全部吐き出せという要求をしています。

ICOの被害を出さないために


このニュースを受けて50円前後あったリップルの価格は半値以下にまで落ち込みました。2020/12/24の朝時点では20円台前半で推移しています。

なぜSECは成功した仮想通貨の一つであったリップルにここまで厳しい対応を決断したのでしょうか。それは仮想通貨のローンチに伴う被害者を今後出さないための、SECの判断が根底にあるのではないでしょうか。

2017~2018年にかけて、多くの仮想通貨がICO(イニシャル・コイン・オファリング)という名で資金調達手段として使われました。株式のIPOに類似した方法での資金調達ですね。そして、その多くのプロフェクトは非常に未熟なものであり、通貨の価値は上場直後に暴落し、投資家たちは多くのお金を失うことになりました。

今SECがリップル社を訴追しているのは、同様の事件や被害が今後おこらないようにするためと言えるかと思います。リップル社に対して厳しい対応を取ることで、同様の手段で資金調達を行って投資家に被害を与える事業者が出ないようにするという見せしめの意味もあり、SECはリップル社をターゲットにしたのではないでしょうか。

ビットコインとイーサリアム


一方で、SECはビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)について過去に「有価証券ではない」との判断を示していることも知っておきましょう。SECは仮想通貨が有価証券に該当するかについて「金銭の投資である」、「利益を得られる期待がある」など40項目のガイドラインを公表していますが、これらの基準に沿ってすでに判断が示されているのです。

今回のリップルの提訴はビットコインやイーサリアムにとってはプラスのニュースになるかもしれないですね。仮想通貨の今後に大きな影響を与えることは間違いないので、SECとリップル社とのやり取りについては要注目であると言えます。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

カテゴリーから記事を探す