公的機関による売り
2020.11.26

株式会社AWARDの渡邉です。

現在日本の株式市場の大株主は誰だかわかりますか?それは、

・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)

・日本銀行(日銀)

です。いわゆる公的マネーですね。こちらの2つの機関は年金の運用、国の金融政策というそれぞれの目的に対して日本の株式を大量に購入・保有しています。

しかし、この2つの機関の株式の売買行動がすこしずつ変化していきそうな兆しが出てきています。本日はそんなことについて書かせていただきたいと思います。

公的マネーの日本株の保有額は?


2020年3月末時点でのGPIFと日銀の日本株の保有額を見てみると、

GPIF…36兆円

日銀…31兆円

と計67兆円分にものぼります。ちなみに東証全体の時価総額約600兆円ですから、GPIFと日銀の日本株の保有額は全体の10%を超えていることになります。

ちなみに、これらの株式の多くはETFという上場投資信託を通じて間接保有されています。株主名簿にはGPIFや日銀の名前が現れないのはこのためです。

とはいえ、これだけの巨大マネーを動かす公的機関ですから、GPIFと日銀の売買動向は過去の日本の株価に大いに影響を与えてきたと考えられます。

買い一辺倒からの変化


そして、これらの公的機関が株式を売却する、というのは今まで想定されていませんでした。GPIFも運用方針を変えてからは日本株の割合を増やす方向に動いてましたし、日銀の金融緩和のためのオペレーションも単純にETFを購入していくものでした。

しかし、現在足元では株価が上昇しています。GPIFでは基本の資産構成が定められており、

国内債券:25%

国内株式:25%

外国債券:25%

外国株式:25%

となっています。現在の超低金利下では足元の債券価格の上昇は期待できませんから、国内株式と外国株式の比率が高まっていることが予想されます。そのため国内株式の割合が基本とされている25%を超え、売却がされ始めているのでは、と試算されているのです。

2020年7~9月においては5,000億円程度売り越しされており、足元でも売却は続いているという専門家の試算が出ています。

公的機関のリバランス


ということで、GPIFと日銀というビッグプレイヤーのうち、GPIFは売りに回ってくる可能性も想定しなければいけないことは知っておくと良いでしょう。日銀に関してもずっとETFを買い続けることはできないので、どこかで売却等を検討してくることになるかと思います。

また、株高のタイミングで、株式を売却して資産構成比を整えるというのはリバランスと言われて投資成績を安定・向上させるのに有効だとされています。GPIFが行い始めたのは、まさにリバランスということになりますので、このあたりは個人投資家も参考にしていきたいところですね。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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