日産自動車の債券
2020.9.16

株式会社AWARDの渡邉です。

新型コロナウイルスの影響で多大な赤字を計上しつつある日産自動車。この局面を乗り切るために、多額の資金調達をしていることはこちらのコラムでもお伝えしてきました。今回新たな資金調達方法として、外貨建ての債券を発行するとのことなので、そちらについて見ていきましょう。

日産の現況と資金調達


資金調達のオーソドックスな方法と言えばまずは銀行借入れです。実際のところ日産自動車もメガバンクや政府系の金融機関から多額の資金調達を実行しています。その中の政府系金融機関からの融資に政府の保証がついているというのが、話題になったりもしました。

2021年の3月期、つまり2020年4月~2021年3月までの営業赤字額は、4,700億円と前期の405億円から大きく拡大する見通しとなっています。本業で4,700億円の赤字を出しているということですから、かなり厳しい状況にあるのは間違いないでしょう。利益が安定して出せる状況になるまでは手元にある資金で耐えなければなりません。

日産の債券の利率は?


今回日産が発行する外貨建ての債券の総額は、80億ドルつまり8,000億円以上で、過去に発行されたアジアの企業のドル建て債券としては最大規模となるそうです。年限は3,5,7,10年で、発行額は3,5年が各15億ドル、7,10年が各25億ドルとのことです。日産の株式は現在配当がゼロになっています。絶対に日産は潰れない、と考える方で安定したインカムの収益がほしいという方は、この外貨建ての債券を購入するというのも良いでしょう。

ちなみに利率は、

3年:利率3.043%
5年:利率3.522%
7年:利率4.345%
10年:利率4.810%

となっています。現在の米国債の金利は10年物で0.681%ですから、リスクが高い分だけ高い金利設定となっていることがお分かりになるかと思います。債券の主幹事、つまり実質的な発行業務を担当するのはモルガン・スタンレー、JPモルガン、シティグループ、みずほセキュリティーズとなっていますが、日産の今後の経営に対するリスクにこの利率が見合っているのかは、判断が難しいですね。

遠い未来ほどリスクは高まる


債券は満期までの期間が長いほど利率が上がります。それは遠い未来ほど予測することが難しく、発行体の信用リスクなどが高まるからです。日産も3年後は予想できても、10年後にどうなっているかは、予測が難しいと思いませんか?そんな債券の特徴を理解する上でもこの事例は分かりやすいかと思います。

ちなみにSBI証券を見てみたところ、三菱UFJフィナンシャルグループのドル建て債は満期まで7年半ほどのものが利率1.317%で売り出されていました。これはすでに発行されている債券の利率ではありますが、こうした社債と比較しても今回の日産のドル建て債は金利が高く、リスクが高めと判断されていることがわかります。

債券への投資を考える際には、ぜひこうした期間や信用リスクと利率の関係を理解した上で投資するようにしてみてください。

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