やっちゃえNISSAN?
2020.9.8

株式会社AWARDの渡邉です。

新型コロナの影響下において、多数の企業に対して政府系の金融機関から融資が実施されました。日産自動車に行われた約1,800億円の融資もその一つです。

そして、この1,800億円のうち1,300億円に相当する部分が事実上の政府保証がついていたことがわかりました。本日はこちらの事実についての是非について考えてみましょう。

政府系の金融機関とは?


今回の新型コロナウイルスによる危機対応では、政府系の金融機関が大きな役割を果たしました。政府系の金融機関といってもいくつか種類はあるのですが、特に有名なところで言うと

・日本政策金融公庫

・日本政策投資銀行

の2つがあります。この」2つのうち、日産に対して直接融資を実施したのは、日本政策投資銀行でした。そして、その融資の原資となったのは、同じ政府系の日本政策金融公庫を通じた政府からの出資金だったとのことです。

通常の場合、日本政策投資銀行が融資を行ってそのお金を回収できなかった場合は、そのままマイナスを日本政策投資銀行が負うことになります。しかし、今回の融資は仮に貸し付けた1,800億円を日産が返せなかった場合でも、1,300億円については政策金融公庫が保障します、という仕組みになっていました。

どちらも100%政府出資


ちなみに日本政策金融公庫も、日本政策投資銀行もどちらも政府の100%出資です。今回の日産に向けた融資は政府保証だ!というので話題になったわけですが、政府100%出資の金融機関から融資を引いている時点である意味政府の保証を受けているようなものです。

コロナへの危機対応中は、中小企業も政策金融公庫から無担保無利子のコロナ融資を引かせてもらうような状態にあったため、日産だけを特別に非難するのもおかしな話です。

ちなみに比較対象として見る方が多い2010年に破綻した日本航空(JAL)のときの場合は、政府保証付き融資だけでなく公的資金3,500億円が直接的に資本注入されました。公的資金の注入は経営権の取得ということにもなりますから、今回の場合とは大分異なるかと思います。日産の場合はあくまでも融資を引いたというだけですので、きちんと返済がなされればなにも問題は起きないことになります。

再生は可能か?


とはいっても、日産は2016年3月期には売上高12兆円、営業利益7,900億円を誇っていたのが、まだコロナの影響が出始めたばかりの2020年3月期の時点で売上高9兆9千億円、営業利益―400億円となっていました。超巨大企業ですから1,800億円の融資といっても利益が出てなければすぐに食いつぶしてしまう額です。本業を立て直して再生ができるかどうか正念場といったところでしょうか。

やっちゃえNISSANのCMで知られる日産ですが、連結で13万6千人もの従業員を抱え、多くの関係会社の命運を握っています。政府保証の融資どうこう以上に、どう今後立て直しを図り、企業として存続していくのか。その責任は重いと言えるでしょう。

カテゴリーから記事を探す