このキャンペーンはお得?
2020.8.25

株式会社AWARDの渡邉です。

本日はネット銀行のキャンペーンで見つけた『外貨定期預金・特別金利キャンペーン』について解説させていただこうかと思います。1か月ものの外貨預金で年利が30%という一見非常にお得に見えるキャンペーンなのですが、中身を見てみるとどうなっているのでしょうか。

1か月ものの年利30%の利益は?


このキャンペーンの対象となるのは南アフリカランド(ZAR)という通貨でした。その名の通り南アフリカで使われている通貨ですね。こちらの通貨の外貨定期預金をすると1か月ものの金利が年利30%になるとのことです。それでは実際にこちらを10万通貨(10万ZAR)購入した場合の利益を計算してみましょう。

現在の為替レートを見ると1ZAR=6.25円ですから、10万ZAR=625,000円ということになります。こちらが1か月間年利30%がつくとのことですから、

625,000円×30%×(1か月÷12ヶ月)×(100%-20.315%)
≒12,451円

となりました。30%というのは年利換算なので12か月で割り、税金が引かれることも考慮しています。すると得られる金利は12,451円ということになりました。税金の小数点以下は切り捨てしています。

かかる手数料は?


さて、1か月で625,000円預けて12,451円の利益だったら、結構お得と感じる方は多いかと思います。しかし、ここで為替手数料を考慮したらいかがでしょうか。こちらのZARは往復15銭の為替手数料がかかることが明記されています。すると、購入時には(6.25円+0.15円)の為替レートとなり、売却時には(6.25円-0.15円)の為替レートとなります。実際に10万通貨を交換してみると、

【購入時】
10万通貨×(6.25円+0.15円)=640,000円

【売却時】
10万通貨×(6.25円-0.15円)=610,000円

ということになります。つまり、10万通貨のZARを交換するのにかかる手数料は往復で、

640,000円-610,000円=30,000円

ということになるわけです。このキャンペーンを分析してみると、12,451円の金利を得るために、30,000円の手数料を払わなくてはならないものだったというのが分かりました。

長く預け入れても


ちなみに、この1か月間年利30%のキャンペーンが終わると、ZARの預入時の年利は0.5%になるとのことです。この金利は日本円の預金金利より高いですが、それを有利と思ってはいけません。現在の南アフリカの状況を見ると、

2019年のインフレ率:4.38%

10年国債の金利(8月24日時点):9.315%

となっています。インフレ率よりも、10年国債の金利よりも、はるかに低い金利しか得られない状況下では、長く預ければ預けるだけお金が減っていく可能性が高いと考えた方が良いかと思います。

外貨で高金利というと魅力的に感じられる方も多いでしょうが、すこし冷静に商品分析をしてみると様々なことが分かってきます。高い金利=有利な投資先、というようにすぐに飛びつくのは避けることをお勧めいたします。

カテゴリーから記事を探す