株式会社AWARDの渡邉です。
わたしたちの年金基金を運用している日本積立金管理運用独立行政法人、通称GPIF。こちらのGPIFが、2019年度(2019年4月~2020年3月)の運用成績としては、
収益率:-5.20%
収益額:-8兆2,831億円
という大きな損失を出したことをこちらのコラムで取り上げました。しかし、こちらの巨額な損失をGPIFは2020年4~6月のたったの3カ月で取り戻していますので、そちらについてご紹介します。
GPIFの今年の4~6月の運用成績について見てみましょう。
収益率:+8.30%
収益額:+12兆4,868億円
となっています。これは過去の四半期としては2016年10~12月期に記録した+10兆4,971億円を上回る過去最高の収益額だとのことです。新型コロナウイルスで急激に下落した世界中の株式市場が、力強く回復してきたことでこのような収益を実現しています。この結果を受けて、6月末時点の運用資産は162兆926億円にまで増えています。
それではこのような収益を実現したGPIFのポートフォリオはどのようなものなのでしょうか。GPIFの保有する資産の構成は、6月末時点で下記のようになっています。
国内債券:26.33%(25%±7%)
国内株式;24.37%(25%±7%)
外国債券:21.81%(25%±6%)
外国株式:27.49%(25%±7%)
カッコ内は基本ポートフォリオとして定められている構成比ですが、全て範囲内におさまっていることをご覧いただけるかと思います。好調だった外国株式の割合が大きくなっており、外国債券の割合はやや少なくなっています。
現在世界中の債券の金利は低くなっており、リターンを見込むことは難しくなっています。ポートフォリオの中の国内債券、外国債券は、リターンを見込むというよりは、価格の変動を抑えるクッションのような役割を担っていると考えれば良いでしょう。
GPIFが市場での運用を開始したのは2001年度からとなりますが、2020年度第1四半期までで見ると、
平均収益率:+2.97%
累積収益額:+70兆245億円
となっています。なにかと批判されることの多いGPIFですが、運用の方法は非常に真っ当なものであり、過去の累積収益額も70兆を超えるところまで来ています。現預金としてお金を置いておけば今の世の中で得られる金利はほぼゼロなわけですから、少しでも運用で収益を伸ばしていってくれているのは素晴らしいことですよね。
GPIFの運用は個人の方でも簡単に真似できる一つのお手本となります。ぜひ参考にしていただければと思います。
こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。