株式会社AWARDの渡邉です。
日本では将来的な年金財源に充てるために、GPIFという機関がわたしたちの年金保険料の一部を運用しています。こちらのGPIFが2019年度の運用成績を発表しているため、そちらについて本日はご紹介していきたいと思います。
2019年度はマイナス8兆円?
GPIFの2019年度は2019年4月~2020年3月までの1年間となります。2020年3月と言えば、まさに新型コロナウイルスの影響で株式市場が大きく下落していた時期です。そのため、GPIFの運用成績は単年度としては過去最低の結果になりました。
2019年度の収益率は、
-5.20%
年間の収益額は、
-8兆2,831億円
となっています。8兆円以上の損失がたった1年の間に計上されるというのは、とてもダイナミックですよね。
19年間の成績をならすと
さて、これだけ聞くとわたしたちの将来の年金財源が運用の失敗によって大幅に減ってしまったと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、過去の実績を通して見るとGPIFは運用によってお金を大幅に増やしています。
2001年度から始まったGPIFの運用ですが、今回大幅な損失を出した2019年度を含めた19年間をならした収益率は、
+2.58%(年率)
となっており、累計の収益額は、
+57兆5,377億円
となっています。50兆円以上のお金を増やすことに成功している基金というのは、世界中を見渡しても珍しいのではないかと思います。ちなみにGPIFの2019年度末での運用資産額は、150兆6,332億円。世界の年金基金の中で日本のGPIFはNo.1の規模を誇っています。
長い目で見た資産運用を
GPIFの例を見ても分かる通り、長期で資産運用を行うことで結果がついてくることは多いです。株式などを積極的に組み込んだポートフォリオは、相場の変動の影響を受けやすくはなりますが、それは一時的な変化にすぎないのです。短期的な結果に一喜一憂するのではなく、将来の資産を殖やすという強い気持ちを持ってじっくり取り組むのが成功への近道かもしれません。
一時的な損失に動揺して運用をやめてしまうのが、結局最も損に繋がってしまったりします。GPIFの今後の運用にも長い目で見ながら期待していきたいと思います。