IMF 株高に警戒
2020.6.26

株式会社AWARDの渡邉です。

世界中の国々が緩和モードの中、不思議な状況にあるのが株価です。2020年の実態経済はかなり悪くなりそうな中、株式は新型コロナウイルスの感染拡大が起こる前の水準近くにまで戻ってきています。この状態に対して、世界の為替相場の安定化を担っているIMFが警戒感を示しています。

2020年の経済成長率


IMFは6月24日に改定した経済見通しで、2020年の世界経済の成長率をマイナス4.9%と予測しました。先進諸国の経済成長率については、2020年は前年比-8.0%となっており、特に激しい景気後退となる見通しとなっています。世界経済全体に関しても、米国に関しては、4月に発表された見通しと比較して1.9%の下方修正になっています。

実際のところ米国では消費者や企業の景況感が悪化しています。ところが株価は冒頭に書いた通り、新型コロナウイルスの感染拡大が起こる前の水準近くにまで回復してきています。この状況に対して、IMFの出しているレポートでは「資産価格が実体経済と比べて過大評価されている可能性がある」と指摘されています。

景況感と株価の差


企業の株価は本来は収益力や配当力などを元に決まってきます。こうした指標をもとにIMFは現在の株価が割安か割高かを0~100で数値化しています。このモデルを利用すると、4~6月期の日米の株式市場はともに100近辺となり、大幅に割高であると評価されています。

2020年の国内総生産は米国が8.0%減、日本も5.8%減ですから、企業の収益は確実に下振れします。本来企業の収益の下振れは株価の下落要因なはずですが、日米欧など先進国の中央銀行は大規模な量的緩和の一環として国債やコマーシャルペーパーの購入を加速し、直近の5カ月間で市場に6兆ドルもの資金を提供しています。

こうした緩和マネーは投資家が市場に投じるリスクマネーへと姿を変え、世界中の資産価格を押し上げています。ちなみにIMFによると米国、ユーロ圏の社債価格の水準も割高と判断されています。資産価格が割高になっているのは株式市場だけではないようですね。

状況の変化に注意


現在は溢れたリスクマネーが素直に株式市場に向いている状況ですが、状況の変化には注意が必要です。新型コロナウイルスの感染動向、米中関係、朝鮮半島情勢などには、状況を一変させる可能性を持っていると考えています。

実態から離れた株価がついているときには、株式市場が急落することもあると思っておきましょう。

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