米シェールオイル企業破産
2020.4.2

株式会社AWARDです。

新型コロナウイルスの影響で世界中の経済が低迷していること、サウジアラビアとロシアが原油を増産したことをきっかけに、米国でシェールオイル企業の破産が起こり始めたようです。シェールオイル企業の破産が世界に与える影響をご紹介していきます。

米国を変えたシェールオイル


シェールオイルとは、 地下深くの泥岩層に含まれている原油の一種となります。採掘技術が確立された2000年代初頭より米国やカナダで盛んに生産されるようになってきました。

このシェールオイルの生産技術が上がってきたことで米国を取り巻く原油事情は大幅に変わりました。シェールオイルの増産を背景に米国の原油生産量は2018年、サウジアラビア、ロシアを抜いて45年ぶりに世界最大となったのです。2019年には1949年以来70年ぶりに原油の純輸出国になりました。つまり、中東やロシアに依存せずに自国で原油がまかなえる状態になってきたということです。

重い生産コスト


しかし、このシェールオイルには弱点があります。それは生産コストが高いということです。シェールオイルの採算ラインは、2019年4月の時点で平均1バレル48ドルと言われています。これに対して現在の原油価格は、1バレルあたり20ドル前後となっています。つまり、サウジアラビア、ロシアの原油の増産とコロナショックで、現在の原油価格は米国のシェールオイル企業の採算ラインを大幅に下回っているのです。

ブルームバーグ社などは、米国のシェールオイル業界は1バレル40ドルでも生き残れると言っていますが、現在の原油価格が長期的に続いたら米国のシェールオイル企業はどんどん破産してしまうでしょう。

実際に、シェールオイル大手企業で、破産する企業がでてきました。北米のシェールオイル生産のホワイティング・ペトロリアムは4月1日に、民事再生法に相当する米国の法律の適用を申請したことを明らかにしています。つまり経営破綻です。

シェールオイル企業の破綻の影響は?


このように米国のシェールオイル企業が破綻し始めると、金融業界にも大きな影響がでてきます。なぜならば、こうしたシェールオイル企業は、ハイイールド債券といったリスクの高い社債を発行して資金調達を行っているためです。シェールオイル企業の破綻が続けば、このハイイールド債券の市場が大混乱に陥り、それがきっかけで大きな金融機関の経営にもダメージを与える可能性があります。

ロシアは、米国にダメージを与えるのを目的として原油の増産をしているといった面もあります。原油価格の推移には、今後の金融市場の流れを読む上でも注目していただければと思います。

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