日産はなぜ 三菱自動車 へ出資するのか?【株式】
2016.5.17

株式会社AWARDの渡邉です。5月12日、日産自動 車のカルロス・ゴーン社長は 三菱自動車 を事実上傘下に収めることを発表しました。軽自動車の燃費偽装問題で揺れる三菱自動車でしたが、日産自動車が2373億円を出資することで筆頭株主へ躍り出ることが決まりました。三菱自動車と日産はもともと合弁会社を立ち上げ軽自動車を販売していましたが、燃費データの改ざん発覚により三菱自動車は窮地に追いつめられることになった訳です。今後が危ぶまれていた三菱自動車ですが、結果として日産の出資で会社は救われることになりました。

三菱自動車自体は、3月末時点で4500億円という潤沢な現預金を持っており、すぐに資金繰りに困ることはありませんでした。ただ、過去にも大きな不祥事が発覚しており体質自体への疑問の声も上がっていたため日産の傘下入りを決断したのでしょう。

日産にとっても三菱自動車を取り込むことにはメリットがありました。タイやインドネシアといった東南アジアの国々では三菱自動車の人気は強く、日産が三菱自動車を取り込むことはこれらの地域の市場シェアを一気に拡大することにも繋がります。世界中の経済学者がこれから世界の経済成長を東南アジアがけん引すると言う中で、その市場シェアを2400億円で奪えるというのは日産からすると悪くないのではないでしょうか。

さて今回の不祥事発覚ですが、もともとは日産からの発表により三菱自動車のデータ改ざんが明らかになっています。そして結果として株式を安く日産が取得できることにも繋がった訳です。改ざんについての発表をする前から日産が三菱自動車を取り込む話はトップ同士の間で決まっていたのかもしれませんね。業務提携についてはもともと非公式な話し合いが行われていたことは会見でも述べられていましたが、三菱自動車の筆頭株主が三菱グループではなくなる意味を考えても相当綿密に事前交渉が行われていたのではないか、と勘繰ってしまいます。

世界での自動車販売台数において、日産自動車と三菱自動車を加えた数字は第3位へと肉薄するそうです。トヨタ、フォルクスワーゲン、ゼネラル・モーターズと続く位置につける4位ですが、その差はわずかになります。不祥事の公表から出資の決定までが、激戦の自動車業界を生き抜くための日産自動車・三菱自動車の作戦であると考えると面白いかもしれません。

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