株式会社AWARDです。
昨日のコラムで話題としたchatworkは、初値が公開価格を下回る形でスタートしました。有名企業のIPOだったにも関わらずなぜ公募割れとなってしまったのでしょうか。本日は株価の決まり方についてご紹介します。
ソフトバンクと問題は同じ
今回のchatworkの上場においては、そもそも上場する市場に対して規模が大きすぎたというのが一つの問題だったと言われています。約136億円を市場から調達したわけですが、今回chatworkが上場した東証マザーズは新興企業向けの市場です。今回chatworkは公開価格を初値が下回ることになったわけですが、それでも時価総額の順位でいうと市場で20位前後となっています。
昨年の12月に上場して同じく公募割れとなったソフトバンクは、東証一部で2兆4,000億円を調達し、現在は市場内での時価総額9位となっています。このように市場によって調達できる額は異なりますが、時価総額が大きな会社ほど価格が上昇するために大きな需要がいるので、上値が重くなる傾向があると言えます。
需給を考える
株価の決まり方はオークションや競りなどと似ているところがあります。市場にある株をいったいいくらであれば売りたい人がいるのか、そして買いたい人がいるのかによって価格は形成されています。売りたい人が少なく買いたい人が多ければ価格は上昇していきますし、逆に売りたい人が多く買いたい人が少なければ価格は下落していきます。
今回のchatworkの場合は、市場に出回る前にIPOでその株を購入していた方々が一斉に売りに出したにも関わらず、それを上回る量の買いがなかったため価格が下落しました。
ただし今回買い手が少なかったのは、昨日書いたようにそもそもIPO時に設定されていた価格自体がかなり割高だったためではないか、という見方もできます。現在出している利益や今後期待される利益に対して設定されている株価が高すぎたために、市場に公開されたのちに買い手があまり現れなかったとも言えるでしょう。
売り買いの基準を持つ
こうしたことを踏まえると、なんとなく株価が上がっていく会社、下がりそうな会社、というのは予想できるかもしれませんよね。
需給面で需要よりも供給が少ない会社の株式は上昇していく可能性が高いですし、その逆は下落していく可能性が高いです。
また利益がしっかりでている割に割安のまま放置されているような株式はのちのち上がっていく可能性は高いですし、一時的な人気で実力以上に高い価格がついている株式の価格はその後下がっていく可能性が高いのかもしれません。
需給面と本来の株式の価値。この2点について株式購入の際は意識してみていただければと思います。