日銀の政策 維持 で株価が下落?【資産運用】

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株式会社AWARDの渡邉です。昨日は日銀の金融政策決定会合と黒田日銀総裁の会見がありました。追加緩和の政策が打ち出されることへの期待が相当高かったのですが、今回は政策が 維持 されることになりました。さて、維持と言っても異次元の金融緩和として年間80兆円の国債の買い付けや、ETF(指数連動型上場投資信託)、J-REIT(日本国内不動産投資信託)の買い付け、マイナス金利の実施は変わらない訳です。しかし、株式市場は政策の維持が決定されてから急激に落ち込みました。

日経平均株価の動きを追っていくと、朝の時点で17400円台でしたが、お昼ごろには緩和への期待感から17500円台まで上昇していました。しかし、政策維持決定が発表されるや否や急落。10分間ほどの間に750円も値下がりし、その後も株式市場が閉まる15時にかけて下げ幅を拡大。最後は16600円台にまで落ち込みました。日経平均先物で見ると17時30分頃には16260円まで下落しており実に1300円も数時間の間に下落したことになります。

日銀は政策を現状維持しただけです。それにも関わらずなぜこれほどまでに株価は下落してしまったのか。それは景気は人の気分に大きく影響される、ということに尽きるかと思います。今回の日銀金融政策決定会合前の数日間で日経平均株価は1500円ほど上昇していました。これは追加緩和を日銀が実施して株価が上昇するのではないか、と考えた方々が株を買っていたからです。そんな方々はいざ日銀が追加緩和をしないということになると失望により株を売ることになります。その失望売りに合わせて、利益を上げようとする証券会社、ヘッジファンドなどの大口の投資家が売りで利益を上げようとしてきます。そのような流れが大きくなることによって今回のような株価下落が起こってくる訳です。

株式市場というのは市場に参加している方々がどのようなことを考えているかによって大きく様相が変わってきます。これからGW(ゴールデンウィーク)に入りますが、長期休暇中は株式市場への参加者が少なくなり株価は下落する傾向があると言われていますので、市場に参加している方はそのようなことも考えていくと良いのではないでしょうか。


執筆者:渡邉亮

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