国内でまた暗号資産流出

資産運用

株式会社AWARDです。

国内でまた暗号資産(仮想通貨)がハッキングによって流出する事件が起きました。これで国内の取引所からの流出事件は4件目となります。体制の整備が進んでいると思われた中で、暗号資産や取引所の信頼性を落とす事件が起きてしまったことになります。過去に起きた事件も振り返りつつ今回の事件についてもご紹介させていただきます。

ビットポイントからの流出


今回暗号資産の流出が明らかになったのは、リミックスポイントという上場会社を親会社とするビットポイントという取引所です。流出した暗号資産の総額は約35億円相当。顧客資産が約25億円、会社の資産が約10億円とのことです。ビットポイントは2018年6月22日に金融庁より行政処分を受けており、その行政処分の業務改善命令の報告義務が2019年6月28日に解除された矢先の事件でした。

また、暗号資産に関するルールの目的化や制度整備を目的に、資金決済法と金融商品取引法の改正が2019年5月31日に国会で成立しており、その改正法には暗号資産をコールドウォレット(インターネットに繋がれてない保管場所)で管理することの義務化も盛り込まれていました。今回の流出はホットウォレットというオンライン上の保管場所から起きたということですので、法改正から2020年6月の施行までの間隙を狙う犯行のようです。

過去の流出事件


過去の日本の取引所での流出事件を振り返ると、

マウントゴックス…85万BTC
(当時のレートで約480億円相当)

コインチェック…約5億2300万XEM
(当時のレートで約580億円相当)

Zaif…BTC、MONA、BCH等
(当時のレートで約67億円)

といった事件が起こってきました。今回ビットポイントではXRP(リップル)という通貨が主に被害を受け、約35億円の流出被害を受けています。過去の流出被害がありセキュリティー対策がなされているはずの中で起きたため、取引所の安全性が再度問われる事件になります。

被害は補填されるか?


過去の事例を見ていると、日本の取引所のハッキング被害においては、一定部分までは顧客の資産は補填される傾向があります。親会社であるリミックスポイントは上場会社ですので、財務内容も調べることができるのですが、時価総額は約200億円、2019年3月末時点で保有している現金等は65億円ほどとなります。企業規模的には今回の流出額はかなりの痛手となりそうですが、なんとか顧客の保護は行われるのではないかと推測しています。

暗号資産の業界全体の信用問題にも繋がりますので、ビットポイントがどのような対応をするのかが注目されるところです。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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