株式会社AWARDです。
株式の割高、割安を判断する指標はたくさん存在しています。例えば個別の銘柄であれば、PER、PBRなどです。そんな中で市場の割高、割安を示す指標として『バフェット指数』として知られる指標があります。本日はこの指標についてご紹介させていただきたいと思います。
バフェット指数の意味は
バフェット指数とは、下記のような計算式で計算される指数になります。
バフェット指数
= 株式時価総額 ÷ 名目GDP × 100
つまり株式市場全体と名目GDPの比率のことをバフェット指数と呼ぶということですね。株式時価総額は企業の価値を表していますが、投資家の将来に対する見通しによって膨らんだり縮んだりする特性があります。一方で、国が生み出す付加価値である名目GDPは、投資家の心理によって左右されることのない実態価値です。この比率を見ることで、株式市場が割高か割安かを判断することができると言われています。
日本のバフェット指数の例
今現在の日本のバフェット指数は、
111%
ほどになるようです。なお、過去最高値をつけたバブル時のピークではどのくらいの値になっていたかというと、
146%
とのことですので、やはり数値が大きくなれば大きくなるほど株式市場には過熱感がみられると考えても良さそうです。概ね50~150%ほどの間に収まり、100%を超えてくると株式市場は割高と判断できるようです。こうして考えると、なかなか上昇していかない日本株もやや割高の水準にあると判断されることになります。
ちなみに米国では現在のバフェット指数は145%前後となっておりますので、これだけ見ると日本のバブル期と同じくらい株式市場が過熱しているということになります。とはいえ、米国では2013年以上ずっとバフェット指数が100%を超えている中で株式市場は伸びてきましたので、これだけで投資判断をするのは難しいかもしれません。
市場探しの目安に
なお、バフェット指数と呼ばれているのは、世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏がこの指数を投資判断に用いているというところからきています。しかし、実際にバフェット氏がこの指数を使っていることを示す資料などは特に見つからないので、名前だけが一人歩きしている指数なのかもしれません。ただ、バフェット氏は株式市場が割安なときに大量の株式を購入することで知られています。バフェット指数がそうしたタイミングを計る材料になっているというのはとてもしっくりくる話です。
市場全体で今が投資タイミングかどうかを見るのは、一括投資の場合には特に大切になります。バフェット指数も一つの判断材料として知っておくと良いのではないでしょうか。