株式会社AWARDです。
人口の数や推移は、経済成長に対して大きな影響を与えます。本日は人口によって経済成長が促進されるという『人口ボーナス期』のことについてご紹介したいと思います。
人口ボーナス期とは?
人口ボーナス期とは、労働力の増加率が人口の増加率よりも高くなり、人口に対する労働力が豊富な状態となることで、経済成長が促進される時期のことを指します。ハーバード大学の教授が21世紀初頭に人口ボーナス期が経済に与える影響が大きいことを特定したことで、広く世の中に知られる考え方となりました。
ちなみに人口構成の変化が経済にとってマイナスに作用する状態は、『人口オーナス』期と言われます。オーナスとは、「重荷、負担」という意味になるそうで、人口ボーナスの対義語として使われています。
人口ボーナス期の定義
人口ボーナス期の定義としては、以下の3つが挙げられます。
・生産年齢人口が継続して増え、従属人口比率の低下が続く期間
・従属人口比率が低下し、かつ生産年齢人口が従属人口の2倍以上いる期間
・生産年齢人口が従属人口の2倍以上いる期間
これらの定義をみると、概ね生産年齢人口が従属人口の2倍以上いる期間と考えれば良いでしょうか。ここでいう生産年齢人口とは15~64歳の方を指し、従属人口とは15歳未満と65歳以上の方を指します。働いている方が多く、その他の方々よりも多くいる状態というのは経済成長しやすい期間となるということですね。
主要国の人口ボーナス期
人口ボーナス期の定義には複数のものがありますから、絶対にこれが人口ボーナス期であると言うのは難しいのですが、2012年に国連が出しているデータによると各国の人口ボーナス期(生産年齢人口が従属人口の2倍以上いる期間)が終わるのは下記の年であるとされています。
日本:2005年
米国:2014年
中国:2034年
インド:2060年
ブラジル:2038年
こうして見ると、日本という国はかなり前に人口ボーナス期が終わった国であることがわかります。日本の場合は高度経済成長期の1970年からバブル崩壊までの1990年までに著しい経済発展をしましたが、ちょうどその頃に人口ボーナス期だったのです。そうしたことを考えると、今後人口ボーナス期を本格的に迎える世界の国々というのは、良い投資対象になるのではないでしょうか。
また、先進国の中では米国は移民の受け入れなどの影響で比較的人口ボーナス期が長かった国となっており、そうしたことも世界経済を牽引してきた原動力となっていたと言えるでしょう。
人口と経済成長は密接に関りあっているというのは、経済学的にもほぼ証明された事実となります。今後世界に投資する際には、人口ボーナス期という言葉を頭の中に置いて、調べてみると良いかもしれませんね。