令和初年度の日本企業は

資産運用

株式会社AWARDです。

上場企業は自社の業績予想を発表して株主へのアピールをしたり、計画に沿った企業活動をしていきます。そんな業績予想において、令和初年度となる2020年3月期は各社どのような見通しでいるのでしょうか。

5社に1社は最高益


5月17日までに決算を発表した3月期決算の上場企業1564社。その業績予想を日本経済新聞社が集計したところ、約2割に相当する316社は最高益を更新する見込みだとのことです。ただし、全体としては純利益が1.4%減り、2期連続の減益となりそうです。

特に好調なのは、『健康・医療』関連の企業、そして人手不足への対応などをビジネスとする『課題解決型』の企業ニッチな分野で競争力を持つ製造業など、特色の強い企業が強い業績予想をしています。米中の貿易摩擦などで全体的な企業業績が下向きになる中でも、需要の大きなビジネスをしている企業は順調に業績を伸ばしていくようです。

マクロな視点とミクロな視点


株式と一口に言っても、全体的像をみるのと個別の企業を見るのではだいぶ様相が変わってきます。それはマクロとミクロという言葉で表現されることも多いのですが、

マクロ
→経済全体(国全体の経済、世界の経済)

ミクロ
→経済の一要素(個人、家計、企業、地域など)

とそれぞれが意味を持ちます。日本全体で見れば今後少子高齢化も進んでいき、経済の成長も他の成長過程にある国と比べると期待できない、と考えることができます。しかし、個々の企業を見ると世界で必ず必要とされる製品を作っている企業や、少子高齢化が進む日本にとって必要なビジネスをやっている企業は今後も伸びていくことが予想できるわけです。

不動産の例で言えば、日本全体では今後の不動産市況は厳しいが、特定の地域や東京を中心とした首都圏では世帯数がまだ増えていくため賃貸需要も見込める、といったところになるでしょうか。このように投資をする際にはマクロとミクロの視点をどちらも持つことが大切になります。

最高益の企業の6割を占めるのは


ちなみに2020年3月期に最高益を見込んでいる企業の顔ぶれを見ると、6割強にあたる206社が非製造業の企業であるとのことです。一方で製造業で最高益を見込んでいるのは110社。『日本=製造業の国』というイメージをお持ちの方は多いと思いますが、世界の工場が東アジア、東南アジアへと広がっていることを考えると、今後の日本を牽引するのは他ができないサービスを打ち出す非製造業の企業と言っても良いのではないでしょうか。

個別銘柄の株式への投資を始めると、ミクロの視点からも経済のことを読み解けるようになっていきます。自分が普段使っている便利なサービスも、実は投資可能な上場企業のサービスかもしれません。ぜひ学んでみてはいかがでしょうか。


執筆者:渡邉亮

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