株式会社AWARDです。
資産運用をする上で、価格が下落するリスクは常につきまとうもの。それでは、株式などを保有している場合、最大でどのくらいの下落があることを覚悟しておけば良いのでしょうか?本日は過去の米国株の事例からその辺りを見てみたいと思います。
最大マイナス86%?
まず大前提としては、株価というのは長期的に見ると上がり続けます。なぜかというと、企業は利益がなければ上場し続けられませんし、株主はその利益を受け取る権利を持っているからです。ですから世の中の経済が拡大している限り、株価は上がり続けることになります。
しかし、過去には何度も株価は暴落を経験してきました。近いところですと、2008年のリーマンショックで50%以上も株価が下落したのを経験した方もいらっしゃることでしょう。それでは過去100年ほどの間ではどうだったのでしょうか。下記に米国のS&P500のデータを挙げさせていただきます。
期間:下落率
何があったか
1929年8月~1932年6月:-86%
第二次世界大戦前の世界恐慌
1937年2月~1938年3月:-53%
恐慌から回復途中のFRBの利上げ
1968年11月~1970年6月:-33%
ベトナム戦争と下落相場
1972年12月~1974年9月:-46%
オイルショック
1987年8月~1987年11月:-34%
ブラックマンデー
2000年3月~2002年10月:-49%
ITバブル崩壊と同時多発テロ
2007年10月~2009年3月:-56%
リーマンショック
こうしてみると、過去の歴史の中では株価が30%を超えて下がるような下落はしばしば起きていることがわかります。リーマンショックば100年に一度の金融危機、などと言われていましたが、100年以内の世界恐慌時には90%近い株価の下落も起きていたのですね。
株価に対する心構え
さて、このような大暴落を何度も経験している米国の株式市場ですが、その間に株価はどのくらい上昇したのでしょうか。世界恐慌が起きる直前の1929年8月のS&P500は31.71ポイントでした。そして2019年5月現在のS&P500指数は2859.53ポイントとなっています。約90年の間に、90倍ほどになっている計算になります。大暴落の直前に投資をしたとしても、複利計算でみると毎年5%程度のリターンが得られていたことになります。こうした長期のデータを見る場合にはインフレ率も加味しなくてはなりませんが、インフレ率を加味したとしてもこのリターンが得られていれば資産価値は上昇していることになりそうです。
株価の暴落はしばしば起こりえます。そして、その際には30%以上の下落を目にすることもあるでしょう。しかし、そこで売却せずに保有しておけば、その後株価が回復していくのは過去の歴史が証明していると言えるのではないでしょうか。株価が暴落したときに慌てて安値で売ってしまうのではなく、安くなったところでさらに買うくらいの気持ちを持っている方が最終的には資産を殖やすことができそうです。