株式会社AWARDです。
長期的な目線で投資を行う場合、その事業が持続可能であるかどうかというのは大切な要素になります。どんなに今儲かっていても短期的にしかできない事業であるならば、その事業に長期的に投資するのはリスクがあるからです。そんな長期的な目線で投資を行う上で、10年ほど前から欧米の投資家の間で注目を集めている投資手法があります。それがESG投資です。
ESGの意味
ESGとはそれぞれ、
E:環境(Environment)
S:社会(Social)
G:ガバナンス(Governance)
の頭文字をとったものです。ESG投資はこれらに着目した投資手法で、短期的な企業業績や市況トレンドではなく、企業の中長期的な成長に注目します。「社会貢献投資」と日本語訳されたりもするのですが、実際には意味が異なります。欧米の考え方としては、これらに配慮した企業に投資を行うことは社会貢献性を求めているわけではなく、高いパフォーマンスを求めての通常の投資活動となります。実際にESG投資は、過去の10年間でベンチマークを上回る投資パフォーマンスが確認されているとのことです。
ESG投資を実践するのは
ESG投資を実践しているのは、特別な会社ではなく、日本でもよく知られた大手の投資銀行や金融機関です。例えばそれは、ゴールドマン・サックスであったり、ブラックロック、バンガード、UBS、クレディ・スイスといった企業になります。ちなみに日本の年金積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も、ESG投資に関わる機関の一つです。GPIFが2015年9月16日に署名した「国連責任投資原則(PRI)」には、世界の機関投資家に対して、ESGを投資プロセスに組み入れることが推奨されています。
なぜこういった投資が注目されるようになっているのか。それは、
・気候の変動
・環境汚染
・少子高齢化による人手不足
など、今後起こってくる様々なリスクを予め見越して備えなければ、持続可能な経済活動ができないことに、欧米の大企業は気付いてきたからです。これらに事前に手を打つことがESG、つまり環境・社会・ガバナンスに着目することと同じ意味となるわけですね。
持続可能な経営
持続可能を英語にするとサスティナビリティとなりますが、この言葉も最近は投資の世界でしばしば使われます。様々なリスクに備えながら投資をする上では、ESG投資やサスティナビリティ経営といったところに着目する必要があるのでしょう。
企業への投資を考える際には、こうした点も検討していくのが、今後も続くトレンドとなりそうです。顕在化していないリスクにいち早く対応する姿勢を持つ企業が長期的な成長を成し遂げることになるのではないでしょうか。