株式会社AWARDです。
日本は世界でもまれに見る債務残高の大きな国です。政府は日本という国の運営の中で過去に大量の国債を発行してきました。これらの国債はいずれは返さなくてはいけないものの、その規模は2019年度末で897兆円に達するとされています。ではこれほど大量の国債を発行しているにも関わらず、なぜ日本という国は財政破綻しないのでしょうか。
日本は資産も持っている
日本が破綻しない大きな理由。それは大量の負債を持っている一方で、巨額の資産を保有しているためです。政府の金融資産だけで2015年3月末時点で574兆円が存在します。政府の金融資産には、年金給付のための積立金、政府が保有する土地や官庁の建物などの国有財産が含まれています。
これらの資産はすぐに売り払って国債の返済に充てるということができる資産ではありません。しかし、本当に追い込まれた国、例えば数年前に財政危機に陥ったギリシャでは、借金返済のためにこれらの資産も売り払ったという事実があります。政府が借金だけでなく資産を持っていることは安心材料です。
世界一の対外純資産
また日本の政府、企業、個人は海外に大きな資産を持っています。これらの持つ資産から海外での負債を差し引いたものは対外純資産と呼ばれますが、こちらの大きさは2017年末時点で27年連続世界一となっています。その額は328兆4470億円となります。
つまり政府、企業、個人の合算でも日本は海外に対して大きな資産を持っているということですね。ただし、こわい情報として、この数字は2017年度末までで3年連続で減少しています。すこしずつ海外に持つ資産よりも海外で持つ負債の割合が大きくなってきていることを示していると言えるでしょう。
家計の金融資産
また、日本の借金の話をするときによく出るのが家計の金融資産の話です。日本に住む人たちが保有する金融資産は非常に大きく、現金・預金・投資信託・株式等の資産を合計した数字は2018年12月末時点で1830兆円となっています。
これは家計が持っているお金で日本政府が国債の返済に使うことができるお金ではありませんが、ここにある資産は日本に住んでいる限りは税金等の対象になる得るものである、と言えるでしょう。そのため、家計の金融資産がある限り日本は破綻しないとも言われています。
これらの理由に加え、国債は円で発行されているため、日銀が日本円を刷ることでも最終的には破綻はしないということも言えます。ただし、このようなことを行うと世界から見た国としての信頼度が落ち、日本円の暴落などを招き国がより苦しくなる可能性もあるので最終手段と言えるでしょう。
今は財政破綻しない材料が揃っている日本ですが、対外純資産はここのところ目減りしてますし、いつまでもこの状況が続くかはわかりません。いざというときのために、海外で外貨建ての資産を持つというリスクヘッジは検討してみても良いのではないかと思います。