株式会社AWARDです。
日経新聞に面白い記事がでていました。2018年度は世界の純利益の4割を米企業が稼ぐ見込みだとのことです。なぜ世界の利益の多くの部分を米企業が稼いでいるのか、その理由を考えてみましょう。
世界のGDPのシェア
米国が世界の純利益の4割を稼いでいるということは、 米国の経済規模が世界の4割を占めているということなのでしょうか。確かに世界一の経済大国は米国ですし実際に大きな割合を占めていますが、4割までは達していません。2019年の名目GDPの予想で上位の国のシェアを見てみると、
米国:24.4%
中国:16.1%
日本:5.9%
ドイツ:4.7%
インド:3.4%
となっています。GDPは24.4%ほどのシェアなのに対して、世界の純利益の4割を米国企業が稼ぐというのはいったいなぜなのでしょう。
iPhoneは世界中で売れる
それは米国に世界に股をかけるグローバル企業が多いというところが最大の理由かと思います。例で言えば、世界中の国々でマクドナルドのハンバーガーは食べられてますし、iPhoneは中国や東南アジアの国々でも流通していますし、ジョンソン&ジョンソンの衛生用品も様々な国で活用されています。そして、世界中で上がる利益は米国企業の懐に入り、米国企業が利益をあげる、という構造になっているわけです。米国企業の売上は米国内だけで出ているわけではないということですね。
米国企業が世界で圧倒的な強さを誇っているというのが、世界の純利益の4割を稼いでいる所以でしょう。米国企業の純利益は、ここ10年間で3.8倍に増えたことになるそうです。
その恩恵は誰が受ける?
では、米国企業があげた恩恵は誰が受け取るのでしょうか。企業は誰のものか、という問いに対しては様々な回答が考えられますが、法律的には株主のものになりますし、利益が還元されるのも株主になります。つまり、米国株を持っている方が恩恵を受けることになるわけです。米国企業の利益は10年間で3.8倍になっているとのことですが、米国株の指数であるS&P500を見てみると、2009年1月末の値と現在の値を比べると3.2倍ほどに上昇しています。企業の利益が上がれば、その株を持つ株主は資産の増加という恩恵を受けることになるわけです。
企業があげた利益は株主に還元される。日本では株式はこわい、という考え方を持つ方もいますが、本質が見えていればそこまで恐れる必要はないのではないでしょうか。そんなところも日々のニュースから読み取れると面白いかと思います。