株式会社AWARDです。
ここしばらく株価が大きく下落していたのは、ご存知の方も多いかと思います。12月の頭に22,000円を超えていた日経平均株価は年末には19,000円を割り込む場面も見られました。この原因の一つになっていたのが、FRBの利上げに対する姿勢です。
FRBの今までの金利政策
米国のFRB(米連邦準備理事会)は日本でいうところの日銀のように政策金利を用いて米国の景気を調整する役割を担っています。2008年のリーマンショックで大きく利下げを行い緩和政策を行っていたFRBは、2015年から利上げを開始して政策金利を引き上げてきました。リーマンショック後0.25%まで下げられていた政策金利は、現在2.5%まで引き上げられています。
しかし、利上げは市場に出回っていたお金の量を減らす効果があるため、経済へのマイナスの影響も強くあります。利上げをせずに景気の過熱を抑えないでいると、かつての日本のバブル経済のように土地や株価の高騰と、将来的な急激な暴落を招く可能性があるため、FRBは利上げを続ける方向性を示していました。実際に2018年12月19日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRBの議長であるパウエル氏は「年2回の利上げを継続する」と宣言し、その発言がここ最近の株価の下落の起点になったとも言われています。
利上げ姿勢に変化か
市場としては、ここからの無理な利上げは望ましくないと感じており、利上げの方針を堅持するという方向性をパウエル氏が示したことが下落のきっかけとなってしまったのでしょう。株価の下落を受けトランプ大統領はパウエル氏の解任も一時検討したと報じられ、より市場は混乱しました。
こうした流れがあったところで、2019年1月4日の全米の経済学者が集まる会合にて、パウエル氏は「金融政策を柔軟に見直す」と述べ、利上げを一時停止する考えを暗に示すことになりました。パウエル氏自身も12月のFOMCでの発言が、ここまで世界的な株安に繋がってしまうということは予期していなかったのでしょう。市場との対話を重視し、ここにきて方向性を変化させてきました。米国の12月の雇用統計が非常に強い結果だったのとパウエル氏の発言を受け、米国の株価は大きく反発しました。日本の株価も本日は全体的に大きく上げることになるでしょう。
トレンドを把握する
こうした要人の発言は株価のトレンドを大きく変化させる可能性があります。米国の金利政策は世界中のお金の流れを変える力がありますので、要注意です。しばらく下落トレンドだった株価も、もしかしたらここを起点に上向くかもしれません。短期の投資をしている方は確実にチェックするようにしてみてください。