外貨預金はお得か?

資産運用

株式会社AWARDです。

日本円で日本の銀行に預金しても、今やつく金利はほぼ0%。正確に言えば0.001%といったほんの微々たる金利がつきますが、10万円預けて1年間に1円しかつかないわけですから、ほとんど増えている実感を得られる方はいないかと思います。そうなってくると、外貨預金などに目を向けたくなる方も多いのではないでしょうか。

金利が高い外貨預金


あるメガバンクの現在の米ドルの外貨預金を見てみると、1年定期で初回優遇金利がついて1.650%、という数字がついていました。これは3万ドル未満の預金の場合で、多くの金額を預けるほど金利は高くなり10万ドル以上を預けると2.150%といった金利がつきます。日本円であれば金利はほぼ0%なのですから、これはかなり魅力的な金利のように思えるのではないでしょうか。

実際に日銀が発表している2017年の資金循環統計を見てみると、日本における外貨預金は前年より3,094億円増加し、残高は6兆3,250億円まで伸びています。こうしてみると、すこしでも金利の高い外貨預金に目を向ける方が増えていると言えそうです。

手数料とインフレ


しかし、外貨預金はデメリットもいろいろとあります。まず私たちが稼いでいるお金はほとんどが日本円でしょうから、日本円から外貨にかえての預け入れになるかと思います。そうした場合、日本円から外貨にかえるだけでも一定の手数料がかかります。また外貨から日本円にかえて使いたいというときにも、再度為替手数料がかかってくるため、頻繁に両替するとそれだけで手数料負けしてしまいます。日本円と外貨の往復では米ドルでも1%程度、その他の通貨ではもっとかかると思っておいた方が良いでしょう。

また外貨預金と言えどもインフレには負けてしまう可能性が高いです。米ドルでお金を持っているということは、米ドルの価値がどう変化しているかを見る必要があります。米ドルが使われている米国でのインフレ率は、現在2.5%といった高い水準にあります。つまり、米国では米ドルの価値が毎年2.5%ずつ減っているような状況なわけです。先ほど挙げた10万ドル以上の定期預金でも、このインフレ率よりも小さい金利しかつかないので、結局外貨預金でもインフレに対抗する手段としては弱いのです。

外貨を持つ意味はある


とはいえ、外貨を持つことには大きな意味があります。日本人は多くの資産を日本円で持っているため、円安によって資産が大きく目減りするリスクに常にさらされています。ですから、外貨を資産の中に組み込むことによって、円安円高といった為替の影響によって資産価値が大きく増減しにくくすることができます。理想でいえば50%の資産は外貨で持っているのが良いでしょう。

外貨を持つ手段は外貨預金だけではありません。今では証券会社などを通して海外の株やETFといった商品をドル建てで購入することも手軽にできるようになっています。外貨預金にこだわるのではなく、ぜひ視野を広げて外貨を持つということを検討してみていただければと思います。


執筆者:渡邉亮

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