株式会社AWARDの渡邉です。皆さんは日本株の市場参加者で特に影響力が大きいのは誰だと思いますか?ちょっと分かりにくい質問かもしれませんが、答えは『 外国人投資家 』です。実は日本の株の売買の中で海外の投資家が占める割合は70%にもおよびます。日本の株式市場なのに売買をしているのは半分以上が海外の投資家というのは驚きですよね。
そんな外国人投資家ですが、東京・名古屋の市場で先週7~11日の間に日本株を売り越した額が1兆1932億円で過去最大を記録したそうです。売り越した額ですので、外国人投資家が日本株を1週間の間に買った額よりも売った額の方が1兆1932億円大きかった、ということですね。1982年7月に東証が調査を始めたそうなので、過去34年の中で最大の売り越し額となるそうです。
ちなみにこれまで最大だったのは、世界的に株価が暴落したブラックマンデーが起きた1987年10月第3週の1兆453億円だったそうです。ブラックマンデーと言えば日経平均株価の過去最大の1日の下落幅・下落率を残す記録的な日です。そんな記録的な日をあっさり超えてしまったということで、ニュースを見て驚いていました。
外国人投資家の売り越し額が膨らむということは、外国人投資家の日本株離れが進んでいるということにも繋がります。安倍首相、黒田総裁が推し進めてきた政策によって多くの投資家の支持を得て来た日本の株式市場ですが、ここ最近の世界経済の後退懸念や円高によって魅力が薄まって来ていることを示しているのかもしれません。ただ、外国人投資家がこれだけ売り越している中でも、それほど大きな下落は見られませんでした。外国人投資家が売った日本株を国内の投資家が買っていくという構図があったと思われます。再度外国人投資家から見ても魅力がある市場にしていくために、新たな政策が待たれるところです。
さて、今回の話の中でブラックマンデーの話が出てきました。世界三大投資家のひとりであるジム・ロジャーズの名言にこんなものがあります。『投資家として成功したいなら、投資の神様といわれている人々の話を聞くよりも、歴史や哲学を学んだほうがいい』。次回のコラムでは過去の歴史的な事例として28年前に起きたブラックマンデーについて取り上げてみたいと思います。