株式会社AWARDの渡邉です。
弊社では生命保険の取り扱いはありませんが、家計の見直しの相談の中で生命保険の話はよく出てきます。そこで感じるのが、多くの方がご自身にピッタリな生命保険のサイズについて考えずに加入を決めてしまっているのではないか?と感じることがあります。
今回から複数回に渡って、生命保険の最適化について考えてみたいと思います。
万が一の際に必要な金額
生命保険のサイズ(保障額)を考える上で重要なのが、家族の誰かが万が一事故や病気で亡くなってしまった場合に、どれくらいのお金が必要か?ということです。ここで考えるお金のこととしては、
1、すぐに必要になるお金
2、継続的に必要になるお金
の2つに大きく分けることができます。
すぐに必要になる金額とは?
すぐに必要なお金の例としては、葬儀代、お墓代、相続税の支払い用のお金、その他の身の回りの整理に必要なお金などが挙げられるでしょう。
葬儀代だけであれば、平均では約200万円ほど見ておけば良いようです。2020年3月に実施した「第4回お葬式に関する全国調査(2020年)」によると、お葬式にかかった費用が平均119万円、葬儀の飲食にかかった費用が平均31万円、葬儀の返礼品にかかった費用が平均34万円、寺・教会・神社などへのお布施の額が平均24万円とのことでした。
また、経営者の方の場合は身の回りの整理に必要な金額は普通のご家庭よりは多くなる可能性があります。事業の規模や後継者の方の有無にもよりますが、経営者の方が亡くなると、その事業自体をたたむ方向に進むこともあります。すると、取引先とのやり取りや、従業員さん向けの退職金などでまとまったお金が必要になります。こうした金額は法人保険で用意することもできるので、同時に考えておく良いでしょう。
さらに、経営者の方は自分がいなくなった際に会社や家族に引き継がれる事業用の借入金の対策もしておきましょう。一括で返済するにせよ、月々で返済を続けていくにせよ、相続放棄がされる場合を除いてどなたかが借入金を引き継ぐことになります。
継続的に必要になるお金とは?
遺された家族の生活に必要なお金は、月々いくらくらいかかるか、という視点で考えると良いでしょう。それまでかかっていた生活費から、亡くなった方がいなくなることで何が変化するかを考えれば分かりやすいかと思います。
住宅ローンは団体信用生命保険に加入していると支払いはなくなりますが、固定資産税やマンションの修繕積立金・管理費は変わらずにかかります。食費などは一人分かからなくなる、と計算しても良いですが、かなり細かい数字にはなります。
そして、お子さんがいる世帯で忘れてはならないのが教育費です。教育費はお子さんが歩む進路によって変化するので、余裕をもって準備しておきたいところです。
継続的に必要になるお金についても、経営者の方は家族だけでなく事業についても考えておく必要があります。自分自身がいなくなっても事業が継続されることを望む場合は、自分がいないことで見込まれる売上の減少などがカバーできるお金がどのくらいの期間、いくらあれば良いかを考えておくと、残された方々が事業を引き継ぎやすくなるでしょう。
こうした考え方で計算をしていくと、万が一の際に必要なお金が見えてくるかと思います。次回は、万が一の際に入ってくるお金について見ていきたいと思います。