標準利率ゼロの時代
2019.11.17

株式会社AWARDです。

生命保険には予定利率というものが定められており、その利率に基づいて保険料が決まっています。保険会社は契約者から集めた資金を運用することを前提に保険を設計しているため、この予定利率が高ければ保険料は安くなり、低ければ保険料は高くなると考えれば良いでしょう。そんな予定利率の現状について本日はご紹介します。

標準利率がゼロに?


保険会社が契約者に対して約束する予定利率は、おもに「標準利率」という金融庁が定める数値をもとに決められています。そして来年1月から一時払い終身保険の標準利率が0%に下がることになったのです。

2016年に始まった日銀のマイナス金利政策によって、日本国債の金利は落ち込んでいます。円建ての生命保険は基本的には日本国債で運用されてきたので、標準利率が0%となるのは必然だったと言えそうです。実際のところ日銀の黒田総裁も、マイナス金利政策の副作用の一つとして生命保険の運用難を挙げていました。

今後の円建ての一時払い商品は?


円建ての一時払い終身は、為替のリスクがなく相続対策でも利用しやすいため高齢者などからニーズのある商品でした。しかし、標準利率が0%になったことで生命保険各社は販売の休止をするなど対応を迫られています。すでに明治安田生命などは10月から円建ての一時払い終身の販売を休止したことなどがHPなどでも確認できます。

生命保険業界の推計によると、円建ての一時払い終身には銀行窓口で年間6千億円、営業職員経由で1千億円程度の市場規模があるようです。こちらのニーズを満たす商品が今後なくなることも十分に考えられることになります。それでは、こうしたニーズはどこに向かうのでしょうか?

外貨建ての一時払い商品


円建ての一時払い終身が標準利率の低下により、販売すればするほど生命保険会社の収益を圧迫する商品となりつつある中、各社は外貨建ての商品の販売に力を入れています。米ドル建て、豪ドル建てといった外貨を利用した商品であれば、日本円よりも高い金利が付くため商品として成立するためです。しかし、こうした商品は手数料構造が日本円建ての商品以上に見えにくかったり、為替リスクがあったりで、苦情が上がりやすい商品でもあるようです。

相続対策などで一時払い終身は有効な商品ですが、利用するときにはしっかりと商品構造を理解した上で加入するようにしたいものです。より契約者側のリテラシーがより求められる時代になってきていると言えるのではないでしょうか。

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