株式会社AWARDです。
生命保険には予定利率と呼ばれる利回りが存在します。貯蓄型の保険は、その予定利率でお金がふえていくと思っている方が多いのですが、実はそうではありません。本日は保険の実質利回りについてご紹介させていただきます。
予定利率≠実質利回り
保険を作るとき、保険会社は将来の保険金の支払いにあてるため、契約者から集めた保険料の一部を積み立てていきます。そして、その資金を運用します。こうした運用によって得られる利率を仮定した上で保険料は設定されるのですが、この時に使用する利率が予定利率になります。
ただし、ここで予定利率がかかるのは積み立てられた資金に対してであるというのが重要です。支払った保険料は事業のための経費などが差し引かれた後に積み立てられることになります。そのため、実質利回りと予定利率の間にはある程度の差が生まれるわけです。
実質利回りを計算するには
実質利回りの計算は、保険の設計書を見るとおこなうことができます。実際にいくら支払っていくら解約返戻金や満期保険金が貯まるのかが把握できれば、そこからの逆算で実質利回りを知ることができます。実質利回りを知ることで、保険と他の金融商品の比較はやりやすくなるでしょう。
しばしば銀行預金でお金を貯めるよりは、保険でお金を貯めた方がすこしでもふえるのでお得ではないか、と考えている方にお会いします。確かに将来の数字だけを見るとそう見えるのですが、実質利回りを計算してみると国債などを使って安全な運用をしたとしても、そちらの方が有利な場合は多々あります。金融商品ですから、数字で比較する習慣を身に付けると判断基準が明確になるのではないでしょうか。
保険は保障で考える
保険といのは万が一のときに備えるものです。ドル建ての保険や変額保険なども最近では人気がありますが、そうした商品も基本的には保障がメインであり、お金をふやすという効果は付随しているものくらいに考えておいた方が合理的です。お金をふやすという目的であれば、債券や株式を選択するのが良いでしょう。保険会社も皆さんから預かったお金はそうしたもので運用しているためです。
貯蓄や運用目的で多数の保険に加入しているという方は、ぜひ一度自分自身が加入している保険について見なおしてみることをお勧めします。その際には日本国債や米国債といった商品と実質利回りを比較してみてはいかがでしょうか。