お金もうけの本質

経済

株式会社AWARDの渡邉です。

皆さんはお金に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。人によって様々だと思いますが、お金というのは汚いもの、というように考える文化が日本には昔からあるようです。

しかし、お金を避けていると当然お金は自分のところに集まって来にくくなります。本日は、偉人の遺したお金にまつわる名言からお金について考えてみたいと思います。

1.渋沢栄一の名言

2.お金もうけの本質

3.なぜ品が悪くなるのか

といった流れで、ご紹介させていただきます。

渋沢栄一の名言


渋沢栄一と言えば、新紙幣で一万円札の顔となる人物です。日本の資本主義の父とも呼ばれる人物で、第一国立銀行(現みずほ銀行)、東京ガス、東京海上火災保険、東急電鉄、帝国ホテル、東京証券取引所、キリンビール、サッポロビールなど名だたる企業の設立に関わっている人物でもあります。

そんな渋沢栄一が遺した名言に、

『金もうけを品の悪いことのように考えるのは、根本的に間違っている。しかしもうけることに熱中しすぎると、品が悪くなるのもたしかである。金もうけにも品位を忘れぬようにしたい。』

というものがあります。非常に味わい深い名言ですが、ここでは主に2つのメッセージが含まれています。

・お金もうけは本質的には良いものである

・お金もうけに熱中しすぎると品位がわるくなる

という2つです。

お金もうけの本質


お金もうけの本質というのは、世の中に新しく価値を生み出しているかどうか、というところにあります。世の中に生み出される価値というのは、付加価値と言われるものでもあり、さらに簡単に言うと粗利のことでもあります。わたしたちが購入する商品には基本的には原価があります。購入する商品の価格から原価を引いたものが、その商品を販売している事業体が生み出している価値、つまり付加価値=粗利になります。

お金もうけというのは、この付加価値=粗利をいかに生み出すかというところが本質にあるのです。粗利が全くない商売というのは、原価を上回る価値を世の中に提供できていないということになるので、商売的には価値がない行為ということになってしまいます。

わたしたちは良い商品やサービスに対して原価以上のお金を支払います。良い商品やサービスを生み出すというところが商売の本質であり、お金儲けというのは世の中に新しい価値を生み出すことなのです。

なぜ品が悪くなるのか


一方で、お金もうけに熱中すると品位がわるくなると渋沢栄一の名言に含まれるのはなぜなのでしょうか。それは商売には常に道徳的な問題がつきまとうからなのではと思います。

例えば、コロナウイルスの流行の際には、マスクの転売で大きくお金を儲けた方がいましたが、世の中からは批判が巻き起こりました。これは人の健康に対する不安につけ込んでより高い粗利を得ようとする行為だと世の中の多くの人が判断したからなのだと思います。

転売といっても必要とされるところに適正価格よりすこし高い程度のお金で販売される分には、批判は起きなかったのでしょう。しかし、実際には転売目的の方による買い占めで通常の流通が行われなくなり、普段からかけ離れた価格での販売が行われました。

商売で新たな価値を世の中に提供するのはわるい行為ではありません。しかし、その行為は常に世の中から道徳的な観点でも評価されていると考えれば良いでしょう。

商売をする際には、道徳的な観点でどう評価されるか、ということも意識していくことが大切なのではないでしょうか。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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