日銀、実質的な緩和縮小か

経済

株式会社AWARDの渡邉です。

2022年12月19~20日に日銀の金融政策決定会合が行われました。何事もなく通過すると思われていた金融政策決定会合ですが、サプライズがあり、為替・株式の相場に大きな影響を与えることになりました。

今回は、

1.日銀はなにを変更したのか?

2.為替や株式に対する影響

3.今後の展開は?

といった流れでご紹介させていただきます。

1.日銀はなにを変更したのか?


今回、日銀が発表したのは、

・長期金利の変動許容幅をプラスマイナス0.25程度から0.5%程度に拡大

・マイナス金利政策は維持

・長期国債の買入額を月間7.3兆円から9兆円程度に増額

・政策金利のフォワードガイダンス(先行き指針)は変更なし

といった内容でした。

この中で大きく市場が反応したのが、長期金利の変動許容幅の拡大です。今まで何としてでも長期金利の上昇を抑えるということで、長期金利の上限を0.25%で堅持していたのが、この上限幅を拡大し実質的に利上げであり金融緩和の縮小、と捉えられたためです。

世界中の中央銀行が金融引き締めに動く中で、数少ない金融緩和を続けている国であった日本。その日本が緩和の縮小に動き出した、と捉えられ、市場における大きなサプライズとなりました。

2.為替や株式に対する影響


今回の日銀の発表は、市場に急変をもたらしました。

・ドル円の為替はの12月20日朝の1ドル=137円台から、12月21日朝までに1ドル=131円台まで下落

・日経平均株価は、2022年12月20日の始値から終値まででマイナス669.61円(-2.46%)

となっています。特に為替は、財務省が為替介入を行ったときと同じくらいの急激な変動を起こしました。

今回の日銀の発表は、市場関係者からはかなり評判が悪いと感じています。

「財務省が為替介入する前に実施するべき政策だった」

「市場とのコミュニケーションが取れていない」

「金利上昇に対する不安感を世の中に与えた」

といった意見があります。

現在の日銀の黒田総裁の任期が来年の春までなので、後続に引き継ぐうえで政策決定に柔軟性を持たせるための決定だったのかもしれませんが、個人的にも前もってある程度市場に心の準備をしてもらうコミュニケーションは必要だったのではと思っています。

米国のFRB議長のパウエル氏は、講演内容を少しずつ変化させるなど、市場にかなり細かくメッセージを発信しています。

3.今後の展開は?


来年、世界景気は悪化すると言われてきています。FRB議長のパウエル氏がそういった旨の発言をしたことで、市場では警戒感が高まっている状況です。

市場が悪化する中での利上げ、というのは金融政策としては考えにくいので、その前に日銀としては政策の幅を広げておきたかったのかもしれません。

日本円は、この1年間の米国の利上げによって、もっとも世界でも売られてきた通貨の一つです。世界経済の状況と、日銀や財務省の動き次第では、急激な円高ドル安への巻き戻しの可能性も考慮しておくと良いでしょう。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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