米国経済の懸念点
2018.7.28

株式会社AWARDです。

ロイター通信の出している記事に『低所得層が支える米国経済の「パラドックス」』というものがありました。米国の経済指標は概ね良好ですが、その良好に見える経済を支えている土台が、実はかなりあやういものであることを示唆する記事になっています。

米国経済を支えている消費


経済が好調であることを示す指標は色々とありますが、消費がなければお金の循環は起きないために経済は活性化しません。そして今現在米国経済の消費を牽引する主役になっているのは、主に中間層や低所得者層のようです。しかも、その消費は貯蓄の取り崩しや、債務の積み増し、つまり借金によって支えられていることがデータより分かってきます。

ロイターが米国の家計データを分析したところ、有所得者の下位60%が、過去2年間の消費伸び率の大半を担っていたとのことです。さらにその層は、家計の財務状態が悪化しているにもかかわらず、消費を伸ばしていました。給与が上がって消費がその分だけ伸びるのであれば健全ですが、給与の伸び以上に消費が伸びて借金が増えているような状態だそうです。

数字でみる米国の消費と支出


昨年3月までの1年間で、低中所得層の時給上昇率は、何%あったのでしょうか?この数字はわずか2%にとどまっているとのことです。一方で、この層の支出は約8%も跳ね上がっているとのこと。2%しか給与が増えていないにも関わらず、消費が8%増えているというのは、財務的にあまり良くない状況なのは何となくお分かりいただけるのではないでしょうか。企業だったら、売上が減っていったら経費削減や人件費のカットなどが問題になる場面です。

また貯蓄率という、手取りの給与が貯蓄に回る割合は、2018年3月のデータで3.1%程度になっています。2012年3月のデータですと7.0%ですから、6年間で半分以下に落ちていることが分かります。余裕がないと貯蓄はなかなかできないことが考えられますから、米国の個人の家計は厳しい状況に陥りつつあるのではないか、といったことが予想できます。

景気の悪化に備える


全体的に好調そうな米国経済ではありますが、上記のようなデータを見ていくと懸念点も多々あることが分かってくるのではないでしょうか。現在米国と中国は貿易戦争の真っ最中ですが、これが米国での生活必需品の大幅な値上げなどに繋がると、中低所得層の家計に大きな打撃を与えて債務不履行などが起こってくるかもしれません。

では、わたしたち日本人として今できるのはどんな対策が考えられるでしょうか。米国経済が悪化した場合、必ず日本にもその影響はでてきます。むしろ米国経済の悪化というのは世界の経済が悪化することと同じと捉えても良いでしょう。そういった事態に備えるためには、貯蓄をしっかりしておくこと、投資をする場合でも経済の動向に左右されにくい投資を厚めにおこなっていくこと、消費を抑えた生活ができる準備をしておくことなどが考えられます。

備えあれば憂いなし。世界の経済状況がどうなるにしろ、苦しい状況にならないように身の回りの環境を整えておくことをお勧めいたします。

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