米国の政府閉鎖

株式会社AWARDです。

最近の米国トランプ大統領の発言で物議を醸しているものがあります。それは「政府機関を閉鎖しなければならないとしてもメキシコとの国境に壁を造る」といったものです。不法移民を防ぐための国境の壁建設はトランプ氏の公約でもありましたが、『政府機関の閉鎖』というのはどういった意味なのでしょうか。

過去にも米国政府は閉鎖している


政府が閉鎖するというのは不思議な話ですが、過去に米国ではそのような事態に陥ったことがあります。最近では4年前の2013年の9~10月にかけて騒動になり、実際に2013年10月1日から一部の政府機関が閉鎖し、職員の出勤停止などがおこなわれました。

米国の法律では国の借金に上限が定められており、その上限の引き上げや予算案の成立が与野党の対立で間に合わない場合にこのような事態に陥ることがあります。2013年のケースでは、オバマ大統領の実施した政策である『オバマケア』(米国の国民皆保険制度)に対して、共和党が強硬に反対したことによって起こりました。

2013年の結末は


2013年に政府が停止したのは、米国の議会である上院・下院で過半数を取っている政党が異なり、日本でも言われる『ねじれ』がある状態であったことが一つの理由でした。ちなみに米国政府の借金の上限の引き上げが間に合わない場合には、米国がデフォルト(債務不履行)に陥ることになります。

米国の債券は世界中で安全な資産として購入されていますから、それが返ってこないような事態になれば世界中が大混乱に陥るのは必至です。その事態は何とか避けたいということで、オバマ大統領が所属する民主党側と共和党側が歩み寄り、最終的には予算案の成立と借金の上限の引き上げが行われました。

トランプ氏が言っていること


ちなみに米国は大統領の権限が非常に強く、2013年の事態でも議会の反対を押し切りオバマ大統領だけで強硬的に債務上限の引き上げなどを決断することもできたのですが、議会を無視することに繋がるのでその手法は使用されませんでした。

今回のトランプ氏の発言はオバマ大統領のケースとは逆で、予算案が議会で可決されても壁の建設費を含まないものであれば、大統領としての署名を拒否するというものだったわけです。大統領が署名をしなければ予算案は実行に移されず、政府機関が閉鎖される事態に陥る可能性があるということになります。

大統領の権限が強くトランプ氏も無茶ができてしまうのですが、メキシコとの間の壁建設は与党内でも反対意見が多い政策です。さすがにそこまでする可能性は低いでしょうが、トランプ氏が大統領になって初めての予算案の審議ですので結末には要注目です。

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