1月の米国雇用統計
2017.2.4

株式会社AWARDです。昨日は米国の雇用統計が発表されました。結果を受けて米国の株式は大きく上昇し、数日ぶりに20,000ドル台を回復しました。一方、為替相場は雇用統計発表後に円高が進み1ドル=112円台になっています。株価が上昇するということは雇用統計の結果が良かったようにも見えますが、これが円高にどのようにつなったのでしょうか?

今回の雇用統計では、

非農業部門雇用者数:前月比22万7千人増
失業率:4.8%
平均時給:26.00ドル

あたりが注目されたようです。非農業部門の雇用者数は予測では17万人程度の増加とされていたため、大きく上回り米国の景気動向は堅調であることを示せたと言えます。また失業率は前月の4.7%と比較すると0.1%悪化していますが、5%を割っている現在の状況は過去の米国の失業率と照らし合わせても非常に低く、完全雇用に近い状態と考えて差し支えないでしょう。

ここ数日米国の株式市場が下落していたのは、トランプ大統領の言動に対するリスクが懸念されていたからと考えられますが、堅調な雇用統計が出たことで市場に安心感が戻ってきたとも言えます。また金融株にとってプラス材料になる大統領令が出たことが伝わったことも株価を押し上げました。

そんな中で平均時給26.00ドルという結果は、賃金の伸びが思ったよりも大きくないと捉えられたようです。米国の賃金の伸びは2008年の金融危機が起こる前には3%台半ばもありました。賃金が伸びることがわかっていれば安心して消費ができるため経済全体にとってプラスになります。

今回の米国雇用統計で円高が進んだのは、この賃金の伸びが思ったよりも大きくなかったことが要因のひとつになっているようです。米国の金融政策を司るFRBのイエレン議長は、過去にたびたび賃金の伸びの鈍さを懸念する発言をおこなっています。賃金の伸びが鈍化している=米国の労働市場には未だに需給の緩みが存在しているのではないか、ということで利上げのペースが遅くなる可能性があります。為替相場は金利の低い国から高い国へとお金が動くことで変化するため、米国の利上げのペースが遅くなれば、米ドルが安くなり日本円は高くなる方向に向かうことになります。

今回の雇用統計の結果を総括すると、米国の景気は堅調そうだが、賃金の伸びは思ったより大きくないため利上げペースは遅くなるかもしれない、といったところでしょうか。いくつかの発表される数字を市場がどう捉えるかが面白いところです。

カテゴリーから記事を探す