シェアハウス事業者破産へ
2018.4.19

株式会社AWARDです。

シェアハウスの建設とサブリース事業を行い『かぼちゃの馬車』などの商品で有名だったスマートデイズが、破産手続きに入ることになりました。同社がもつ負債総額は60億3523万円。一般オーナーの被害者も多くいますが、この事件の結末はどうなるのでしょうか。

自転車操業だった事業


スマートデイズは、女性専用シェアハウス『かぼちゃの馬車』や、男性向けシェアハウス『ステップクラウド』をサラリーマンなどの一般オーナー向けに販売し、管理運営を受託するサブリースをつけ急速な事業展開をしていた会社です。サブリースはいわば不動産オーナーに対する家賃の保証契約です。これにより安心したオーナーに対して多くの物件を販売し、平成25年7月期に4億4500万円だった売上高は、29年3月期には316億9600万円にまで伸長していました。ほとんどの物件が満額近い融資を受けていると仮定すると、平成29年期3月期だけでも一般オーナーは総額300億円以上の負債を背負ったことになります。

サブリースの実態は、不動産会社が回収した家賃からオーナーに対してお金が振り込まれるといった通常の流れまで至っておらず、シェアハウスの販売で得られた利益からお金が支払われていたとのことで、いわば自転車操業の実態であったことが明るみになっています。銀行の融資が絞られ始めたことがサブリースの支払いができなくなった理由だと説明されていますが、遅かれ早かれ問題が表面化するのは分かっていたのだと思います。

民事再生申請棄却で破産へ


不動産オーナーに対して支払いが不可能になったスマートデイズでしたが、4月9日には東京地裁に民事再生法の適用を申請しています。そして、昨日4月18日に東京地裁より民事再生法手続きが棄却されたため、今後は破産手続きに移行することになります。なお民事再生と破産の違いは、民事再生が会社が再建して存続するための手続きであるのに対し、破産は会社をつぶして会社内にある財産を可能な限り債権者へ配当し会社を消滅させる手続きになります。

今回の件ではどう考えてもスマートデイズが顧客を守りながら再生するのは不可能だったので破産への移行は妥当かと思います。シェアハウスを購入し多額の借金を背負った顧客は、民事裁判でスマートデイズを集団訴訟したりもしているようですが、今後お金を取り戻すのは難しいことでしょう。寧ろ、自身が負った借金をどう処理するかの方に注力しなくてはならないのは間違いありません。

得られる教訓


スマートデイズの事件からは、投資家として多くのことが学べます。多額の融資がいかに危険かを示すものでもありますし、サブリースという言葉に惑わされずにシェアハウス運営の実態を調査するのも必要だったはずです。投資家が自分の身を自分で守る術はきっとあったのでしょう。

しかし、銀行・不動産業者はプロであり、顧客との知識の差は圧倒的にあります。そんな中で銀行・不動産業者側が適切な情報提供をしていなかったのが、この問題の本質にあると考えています。すべての金融商品に言えることですが、販売側の倫理感がなによりも大切であることを改めて感じる次第です。販売側は倫理観を高め、顧客側は自衛のために知識のレベルを高めることができれば、このような問題は起きにくくなっていくのだと思います。

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