苦悩する黒田総裁
2017.5.7

株式会社AWARDです。

日本の中央銀行と言えば日本銀行(日銀)ですよね。日本で発行されるお札の別名は日本銀行券であり、紙幣の発行も一手に引き受けている中央銀行になります。その日銀を率いているのは黒田東彦総裁です。その一挙手一投足が日本の金融政策の未来を示唆するために、発言を含め注目を集める人物です。

2%の物価目標


そんな黒田総裁ですが、昨日6日にアジア開発銀行(ADB)年次総会に合わせて開かれたパネルディスカッションに出席し、日銀の業務について苦労していることを漏らす一幕があったようです。様々なメディアで報道されているのは、

(2%の物価目標達成について)
『苦労しているが、最善を尽くしている』

というコメントです。黒田総裁は2013年4月に日銀総裁に就任しました。就任時から掲げている目標が2%の物価目標の達成です。つまり物の値段が毎年2%ずつ上がる状態(インフレ)を作ることを目標にしているということになります。

インフレとデフレ


なぜ中央銀行の目標としてインフレが掲げられているのか。それは経済学の常識として、経済の成長には緩やかなインフレが必要だからです。

物価が上がる⇒企業の売上が増える⇒社員の給与が増える⇒消費活動が増える⇒需要が増えて物価が上がる

というインフレを起点とした経済活動のサイクルを回すために、日銀は物価目標を掲げています。逆にデフレスパイラルという言葉もニュースなどで耳にしたことがあるかもしれません。物の値段が下がるデフレが起きると、

物価が下がる⇒企業の売上が減る⇒社員の給与が減る⇒消費活動が減る⇒需要が減り物価が下がる

という経済活動が衰退するサイクルが回り始めてしまうわけです。日本の経済は失われた20年などと言われることがありますが、このデフレの時代が長く続いたことが日本の経済を停滞させた一因であるとも考えられているのです。

黒田総裁の任期と目標達成時期


日銀では2%の物価目標達成時期について2018年度中としていますが、黒田総裁の任期は来年4月までとなり、任期中の目標達成はほぼ不可能となっています。異次元とも評される金融緩和を行っても、目標とする結果を出せないまま任期を終えることになりそうな黒田総裁。そんな日々の苦悩が現れた今回の一言だったのかもしれません。

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